東野圭吾『宿命』

宿命 (講談社文庫)

宿命 (講談社文庫)

主人公の勇作が幼少の頃近所の病院で出会ったサナエという女の人。幼心に淡い恋心を抱くその相手の突然の死。そしてそこで出会った同い年の男晃彦。学生時代から二人は互いを意識し、嫌悪し共に生きてきた。だが大学受験を契機に二人は別々の人生を歩むようになる。
数年後、晃彦の父親が死に、父親が代表だった会社の全権は他の親族に委ねられることになった。そして事件は起こる。その事件を担当することになった勇作は晃彦の名前を見つけ、またも運命の糸を感じる。だが現場で晃彦の妻を見つけ、更に勇作は驚愕する。彼女は学生時代ただ一人勇作が真剣に愛した女性、美佐子だった。
というわけであらすじなげーっ!って感じなんですが、こういう下地がかなり自分の惹きこまれるものだったのと、この本を語る上で最も重要な部分だったので、国語の練習と思ってまとめてみました。
これは全然推理小説じゃないですね、一応トリック破りとかもありますがほとんどどうでもいいような話です。ここら辺から東野圭吾推理小説にこだわらなくなっていったのかな?なんていう想像もしてしまいますが。
もう序盤から伏線張りまくりで、メチャクチャ面白いです。設定がいいじゃないですか、幼少期よりのライバルが大人になって事件を契機に再開ってね。んで相手の妻が自分の元恋人ってね。
以下ネタバレ含む

東野圭吾の偉いところはそこら辺を、運命の糸で劇話的に終わらせないところで、この二人がずっと絡むことになったことや、今回の事件の動機、二人の間で揺れる美佐子の心情なんかを全部キッチリ解決してるんですよね。その辺の動機の作り方とか消化のさせ方がやっぱ上手いです。ちなみにラスト一行が一番書きたかったというあとがきでしたが、あれはこんだけやられっぱなしやけど兄やったんやで、というビックリネタってことでいいんでしょうかね。そうとしか解釈できなかったですが。

古い記憶を呼び起こそうと、これのタイトルでググってたらなんとこれドラマ化されるんですね。しかもメチャメチャ近日ですね。こういう偶然もあるからネットすげー。クソみたいな書評でも書いてみるもんだ。

WOWOW
12月26日午後8時 
主演 藤木直人 柏原崇 本上まなみ 

〓著者から〓 
ものすごく格好いい二人の男性によるドラマ化です。 
私も撮影現場に行きましたが、緊張感もいい感じでした。 
『変身』と同様、十年以上前の作品が映像化されることになって感激です。

おお〓藤木さんとカッシーじゃないですか、二人とも自分の中でかなり男前ランキング上位すわ。カッシーは嫌味な天才役似合うなー。(何書いてんだ?)