HUNTER×HUNTER21巻 DEATH NOTE5巻 シガテラ4巻 GANTZ15巻

当然の事ながらネタバレを含みながらの表現になります。

GANTZ 15 (ヤングジャンプコミックス)

GANTZ 15 (ヤングジャンプコミックス)

この作者は頭の悪そうなDQNを書くのが好きなんですね。そして迫害されるヲタクキャラを書くのも好きなようで。何かこだわりでもあるのでしょうか。
話はなんか唐突すぎるというか、伏線が伏線になってなく、「おいおいこれ行き当たりばったりで書いてないか?」というような内容。ここら辺を後で上手く納得させてくれるなら一気に面白い漫画から素晴らしい漫画にジャンプアップすると思うのですが、どうもこの作者は最初に書きたいシチュがあって、それに合わせてストーリーを進めてるんじゃないかという不安があります。
具体的に今回おそらく全員が引っかかるポイントは、なんでタエちゃんがターゲットになったか?ということで、

1.タエちゃんが地球人じゃないから

2.玄野が前のミッションで守ってるのを見てガンツが急遽ターゲットにした

この2通りしかないと思うんですが、今回のミッションは完了してるのにいきなりもう一個ミッション追加された流れから見て、2の線が有効でしょうね。だとしたら、ガンツの目的が単なる愉快犯的な動機になってきて、オチも見えてくるとは思うんですが、そこら辺キッチリ説明あるんでしょうかね。ラストまで理不尽な存在で終わりそう、そしてそれをやりそうな作者だから怖いですよ。今回のも単純に、玄野対その他の仲間がやりたかっただけなんちゃうんか、と。まあガンツの視点=神の視点=作者の視点 という解釈とすればああそうですね、って感じですが。

DEATH NOTE (5) (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE (5) (ジャンプ・コミックス)

まあ自分は毎週ジャンプを読んじゃってるので、今更内容についてどうこう言う部分は無いのですが、以前2ちゃんで誰かが書いており、自分も非常に納得した現在のデスノートがいまいち面白くない理由に

最初はLが誰がキラなのかを絞り込んでいき、ライトは誰がLなのかを見つけるというデカイ規模の探りあいだったのが、今じゃ完全にLはライトの事をキラだと思っており、確たる証拠がない為に挙げれない状態。2人は常に顔を突き合わせており、単なるお互いのミスリード探しになっていて、すごくスケールの小さいお話になってしまっている。

というような理由があると思うのですが、そのスケールの小さい展開の始まりがこの巻からなんですよねえ、といってもライトが例えば大富豪の御曹司とかいう設定なら、Lと張り合えることも可能だったのでしょうが、一般家庭の小市民という設定では追い詰められるのはしょうがないのかな、とも思いますね。後は既に同じ話で延々ループしてる感がしてきているので、これ以上グダグダにならないうちにオチをつけちゃうべきなんでしょうが、それをさせないのがジャンプ。というところでしょうか。

HUNTER X HUNTER21 (ジャンプコミックス)

HUNTER X HUNTER21 (ジャンプコミックス)

こちらも内容としては特に語るところはないのですが、絵が全然違うので読み直す価値あるなあと思いますね。まあパッと見からして全く絵のクオリティが違うわけですが、特に背景等の細部にすごく感動させられました。こんな事で感動してしまうのは、やはり最初にジャンプの方であのひっどい絵を見せられているからだと思うので、今冨樫義博が本誌において、1ヶ月レベルで平気で休載したり、下書きそのままに掲載してる事に対する説

1.本誌で下書きレベルで不満感を募らせ、クオリティの高いコミックスの購買意欲を掻き立てている

2.コミックスの直しに膨大な時間を取られ、本誌がグダグダになり、またその原稿をコミックスに載せる際に膨大な時間を取られるという悪循環ループに陥っている

このどちらかの説が本物なんじゃないか、と思ってしまいますね。
とりあえずパームやカイトの豹変の様子はコミックスのクオリティで読み返すと、大分印象違いますよね。本誌だと元が雑すぎてインパクト薄いわな。あと本誌で中断されまくりで余り感じなかった部分で、今回続けて読んで気になった点としてはやっぱ能力のインフレ感が否めないな〓。ここまで理詰めの戦略、または成長をキッチリ修行過程を通することでレベルアップしてきた、ゴン・キルアなのにここだけいきなりジャンプアップかよ、と。いきなり規格外のネフェルピトーなんて出てきて、これどうやって倒す気なんでしょ冨樫は?と皆期待してたと思うんですが・・・。まあ実際の決戦ではまた僕らを驚かせてくれることを期待しております。その為なら1ヶ月くらい休んだっていいじゃない、うん、いや、2ヶ月とかはキツイけど。

シガテラ(4) (ヤンマガKCスペシャル)

シガテラ(4) (ヤンマガKCスペシャル)

今回は今までの大きな流れから一転して、日常生活の闇っていう古谷実お得意の小エピソード二つをぶっこんだ形ですね。特に2つ目の南雲さんエピソードなんかは正に真骨頂って感じで、結局は大きな破綻も無く、また日常に戻るというオチで次に続くわけなんですが、こういう日常生活のエピソードが主人公二人の幸せっぷりを強調してる、それが怖いですよね。だってこれ完全に前フリですもんね。絶対これ崩す気やないですか。溜めて溜めてドーン!やないですか。もう今までの古谷作品見てる人はこれ完全に「やる気だな」って思いながら読んでるわけで、後は作者のさじ加減一つですよね。だから毎回差し込まれるお話が「今回遂に破綻の始まりか?」と思いながら、何事も無く終わって、あー今回も生き延びたーって気分にさせられるんですよね。そう考えるとちょっと新しい手法かもしれないですが。
結局なんで南雲さんが荻野みたいな特に取り得の無い男に好意を抱いたのか。その点についてここまで言及しないんですよね、そこが明らかになっていないから、二人の絆がリアルに感じれないわけで、すっごく脆く見えるんですよね。まあ南雲さんが好いてくれているというのがこのお話の全てなので、恐らくは荻野の何処に惹かれたかってポイントも、最後まで引っ張るんじゃないかと思ってるんですが。と、ここまで書きましたがこれだけ読者が「最後絶対破綻する」と思ってるオチなので、裏切って平和に終わるってのもあり得そうですけどね。